一般社団法人JATI協会

  石綿に係る調査研究 

アモサイト、クロシドライトを含む成形体の加熱による非石綿化の検討
 当協会では環境対策活動の一環として、石綿を含有する既設建材が解体等で廃棄物となった場合を想定した非石綿化処理技術の検討を行っています。今回、特に取扱いに注意すべきと思われるアモサイト、クロシドライト(労働安全衛生法により平成7年4月以降禁止物質とされている)を含む成形体の非石綿化検討実験を行いました。以下に実験結果の概要を記載しますが、この結果をもとに更に詳細な検討を加え、処理技術の一つの方向性として確かなものとしていこうと考えております。

1.実験の目的
石綿を配合した成形体を加熱することにより、含有される石綿の非石綿化温度について検討する。

2.実験の内容
2-1
石綿試料
用いた石綿試料は、南アフリカ産アモサイト、南アフリカ産クロシドライトである。
2-2
成形体作製条件
成形体は表1に示すようにアモサイトを用いた場合ケイカル系、クロシドライトを用いた場合セメント系により作製した。成形体サイズは直径16cmの丸形であり、成形体の厚さ、見掛け密度はアモサイトを用いた成形体で、それぞれ6.5mm、1.05g/cm3、クロシドライトを用いた成形体でそれぞれ 6.5mm、1.40g/cm3であった。
表1 成形体作成条件

アモサイト−けい酸カルシウム系
(内装用けい酸カルシウム板等を想定)
クロシドライト−セメント系
(水道管等を想定)
配合
消石灰:38.0%
珪石粉:37.0%(Ca/Si = 0.8)
アモサイト:25.0%
普通セメント:75.0%
クロシドライト:25.0%
養生
180℃-6h

60℃-8h → 室温2w

2-3
成形体の加熱処理
加熱処理は、各成形体から20mm角に切り出した小片を直径4.5cm、容積36cm3の磁性るつぼに入れ、表2に示す所定温度に設定した電気炉内に投入し、1h後に取り出すことにより行った。
表2 熱処理条件
温度
800、900、1000、1100、1200℃
時間
1h

2-4
加熱処理による相変化
加熱処理後の試料をX線回折分析装置(島津製作所XD-D1、Cu-K?線、40kV、20mA、モノクロメーター使用)を用いて生成物相を同定した。


3.結果
各試料の加熱処理によるXRD(X線回折分析)パターンを図1、加熱処理による生成相変化を表3に示す。アモサイト、クロシドライトともに900℃以上の加熱により回折ピークは認められなくなった。アモサイトの分解により、ヘマタイト、マグネタイト、クライノフェロシライト、クロシドライトの分解により、エジリン、ヘマタイトの生成が認められた。



XRDパターン図
図1  加熱処理によるXRDパターン



表3 成形体中のアモサイト及びクロシドライトの加熱処理による生成相変化
加熱処理温度(℃)
アモサイト
クロシドライト
未処理
グリュネ閃石
リーベック閃石
800
グリュネ閃石 リーベック閃石
900
ヘマタイト、マグネタイト
ヘマタイト、エジリン
1000
ヘマタイト、マグネタイト ヘマタイト
1100
ヘマタイト、マグネタイト
クライノフェロシライト
ヘマタイト
1200
ヘマタイト、マグネタイト
クライノフェロシライト
ヘマタイト


4.まとめ
アモサイトを含有したケイカル系成形体、クロシドライトを含有したセメント系成形体を加熱処理した場合、900℃以上の加熱によりアモサイト、クロシドライトいずれについてもXRDでの回折ピークは認められなくなった。

 




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