アモサイト、クロシドライトを含む成形体の加熱による非石綿化の検討 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
当協会では環境対策活動の一環として、石綿を含有する既設建材が解体等で廃棄物となった場合を想定した非石綿化処理技術の検討を行っています。今回、特に取扱いに注意すべきと思われるアモサイト、クロシドライト(労働安全衛生法により平成7年4月以降禁止物質とされている)を含む成形体の非石綿化検討実験を行いました。以下に実験結果の概要を記載しますが、この結果をもとに更に詳細な検討を加え、処理技術の一つの方向性として確かなものとしていこうと考えております。 1.実験の目的 石綿を配合した成形体を加熱することにより、含有される石綿の非石綿化温度について検討する。
2.実験の内容
表1 成形体作成条件
表2 熱処理条件
3.結果 各試料の加熱処理によるXRD(X線回折分析)パターンを図1、加熱処理による生成相変化を表3に示す。アモサイト、クロシドライトともに900℃以上の加熱により回折ピークは認められなくなった。アモサイトの分解により、ヘマタイト、マグネタイト、クライノフェロシライト、クロシドライトの分解により、エジリン、ヘマタイトの生成が認められた。
図1 加熱処理によるXRDパターン
表3 成形体中のアモサイト及びクロシドライトの加熱処理による生成相変化
4.まとめ アモサイトを含有したケイカル系成形体、クロシドライトを含有したセメント系成形体を加熱処理した場合、900℃以上の加熱によりアモサイト、クロシドライトいずれについてもXRDでの回折ピークは認められなくなった。
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